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2007年08月15日
クラッキング・エッグ
クラッキング・エッグ
連合軍は東西で大反攻作戦をはじめた。
一九四四年六月、ドイツ第三帝国の膨張しきった占領地はまさに卵の殻のようなものだった。戦線外縁部の卵の殻にあたる部分が突破されればベルリンまで連合軍を遮るものはなにもない。
ここはベラルーシ、プリペットマルシュの辺境にある村。この村に駐留しているドイツ軍はわずか猟兵中隊と若干の支援部隊のみだった。かつて世界最強を誇ったドイツ軍が、この地に展開できるなけなしの戦力がこれである。
ついさきほど偵察部隊が持ち帰った報告によると市街戦で凶悪な威力を発揮するISU-152mm突撃砲を主力にするソビエト機甲中隊がこの地に向かっているという。
大隊本部に支援要請をだしたが、この村を守りきることはできるのだろうか?
「アハトゥング、これより作戦会議をはじめる。この地図をみてほしい」
「敵の侵攻経路はおそらく北部と東部、この街道及び森林から浸透してくるだろう(矢印)。そこで我々は村を防衛するために家屋と森を盾にして戦う。さいわい88ミリ対空砲が二門、それに対戦車装備の歩兵が若干配備されているから、敵重戦車に楽々と突破されることはないはずだ」
「中隊長、我々の配置はどうされるのでしょうか」
「我々の手持ちは少ない。よって兵力を重層的に配置すれば一層一層が薄くなってしまう。そこで最重要防衛地点である中央の屋敷のまわりに後方の兵力を引き抜いて配置する。この線を突破(緑色のライン)されたら終わりだと思え」
「敵戦車対策はいかがされますか」
「後方に配置した88ミリ対空砲(赤丸部分)に任せる。戦線を突破されそうな箇所には対戦車歩兵を配置する」
「中隊長、増援の兵力はどのぐらいあてになるのでしょうか」
「とりあえず四号戦車が三両きてくれるらしい。そのほか増援は不明だが、私はこの三両を後方に配置して、敵が突破しそうなところに急行させる腹づもりだ」
「守りきれるのでしょうか」
「さいわいソビエト軍は戦車と歩兵がバラバラに突撃してくるクセがある。協同されたらやっかいだが、戦車さえ早期に倒せればなんとかなるだろう。では解散!」
将校斥候を派遣し、敵の布陣をさぐっているうちに敵の準備砲撃がきた。
こちらの最前線を引き受けていた歩兵分隊三つに砲撃が命中し、壊乱(上図赤丸部分)。中央の守りが薄くなる。
そしてついに敵の主力であるISU-152が三両、稜線にあらわれる。タイガーの砲弾さえはじく分厚い正面装甲、タイガーの約二倍の口径をほこる152ミリ榴弾砲は戦車にとっても歩兵にとっても脅威だ。
将校斥候によると北東の森林および東の街道から敵があらわれたらしい。こちらも増援の四号戦車三両が到着したが、正面切ってISU-152とは殴り合えない。とりあえず戦線の後方に配置して、敵を足止めする囮役を命じた。
最初に口火を切ったのは88ミリ対空砲だった。巧妙に擬装された陣地から、四号戦車に気をとられている敵重戦車を次々に血祭りにあげていく。
敵は倒れた味方戦車を盾につかって、こちらの防衛線に飛び込んでくる。152ミリ榴弾砲によって歩兵が遮蔽物ごと吹っ飛ばされた。
「これはまずいな」
「連隊長、大隊本部から通信です。タイガー戦車四両が増援に向かったそうです」
「よし、二両を88ミリ対空砲の援護に、残りの二両を全速で最右翼に回して敵の後背に回るように連絡。迂回に時間はかかるが、成功すれば敵を狙い打ちにできるぞ」
タイガー戦車が戦線に進撃してくるあいだに囮につかっていた四号戦車が一両犠牲になる。また、集中射撃を食らった88ミリ対空砲一門、75ミリ対空砲二門がお釈迦になった。中央部の防衛力はこれでかなり低下したが、この頃から敵歩兵の浸透攻撃が盛んになってくる。
「中隊長、撤退を許可してください。このままでは全滅します!」
「ダメだ。右翼と左翼から兵を回すから耐えるんだ」
「いまから陣地転換をしても、間に合わないのではないでしょうか」
「なにもしないよりはマシだ」
そのとき、やっと88ミリ対空砲の援護を命じた二両のタイガー戦車が戦場に到着した。適当な遮蔽物をあいだにおいて横合いから敵戦車を次々に仕留めていく。
だが、布陣した位置から、すべての敵を制圧することはできない。敵は稜線に隠れてタイガーや88ミリ砲の射線から隠れ、歩兵とともに中央突破をはかる。
そうはさせじと前進するタイガーだが、敵は対地戦闘爆撃機に虎退治を要請し、この攻撃で一両が撃破された。
敵の歩兵中隊による肉迫攻撃により、前線の歩兵に被害が続出し、応援に派遣した右翼や左翼の兵も敵砲火に射すくめられ、動けない。
「どうやら敵は中央突破をはかっているな」
「このままでは突破されるまで時間の問題です」
「耐えるしかない。タイガーはまだか」
そこへようやく後方へ回っていた二両のタイガーが敵の背後から攻撃をはじめる。敵重戦車はすべて撃破され、歩兵は半包囲されてパニックになり、一気に士気が崩れて降伏した。
卵の殻は守られたのだ。
このリプレイはコンバットミッションを使いました。
投稿者 teitoku : 2007年08月15日 13:49
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コメント
ISU-152がひしめき合った状態でやられちょる!
めちゃめちゃ効率よく撃破した証拠ですな。
投稿者 るるいえ : 2007年08月15日 17:48
88ミリ対空砲、最強!
投稿者 提督 : 2007年08月15日 20:57