裏グランディア
〜仲良し3人組のアブナイ冒険〜


 しわがれた声が、老婆のしわがれた喉からしぼりだされた。
「……ほぅほぅほぅ」
 それは老婆が物語を始めるといういつもの合図だった。酒場に居合わせた人々は騒ぐのをやめ、名物婆さんに注意を向けた。
「今から語るのはグランディアという物語。
 片田舎の街パームから元気いっぱいに巣立った冒険者ジャスティン、その幼なじみのスー、そして大洋を渡る交易船で出会ったフィーナという冒険者たちの物語。
 彼らは大地の果てを見つけた偉大な冒険者。三人の活躍については、もう皆の耳にタコができるぐらい語られているが『夜の冒険』となると話は別じゃ」
 老婆はほぅほぅほぅと笑い、酒場の常連はまってましたと期待に瞳を輝かせる。
「今宵はひとつ、彼らがはじめて夜の冒険者として名を馳せた事件について語るとしようかの」
 老婆は名前をスーという。
 偉大な冒険者の一人と同じ名前だったが、本人かどうかは誰も知らない。
 老婆はゆっくりと語り始めた。
「光翼人の謎を追って冒険していたジャスティンとスーが、ニューパームのフィーナと出会ったのは知ってのとおりじゃ。その出会いはまったくの偶然じゃったが、その頃、フィーナは冒険者協会のバカ息子にいいよられ、ついに結婚式をあげるはめになっておった。ジャステンたちの活躍のおかげでなんとか結婚式をぶち壊すしたのじゃが、それ以後、フィーナはジャスティンたちと一緒に冒険をすることになったのじゃ。今日語る最初の冒険はフィーナが仲間になってしばらくしたある日の出来事じゃった……」

 ドガーン!
 ゴロゴロゴロ……
「……フィーナ〜! たいへんだ〜!」
 情けない声をあげながらジャスティンとスーがフィーナの元へ駆け寄ってくる。
 フィーナは草原に寝ころんで流れる雲を見ていたが、二人を見て起きあがった。スレンダーなボディに挑戦的な瞳。黙っていても存在感を発揮する少女だった。これでも凄腕の冒険者なのだ。
「たいへんだ! たいへんだ!」
 ジャスティンは熱血一直線の新米冒険者だが、その素質はダイヤの原石よりもギラギラと輝いている。凄腕といわれるフィーナが一目も二目もおくほどなのだ。
「たいへんなのよ! たいへんなのよ!」
 そしてスーはジャスティンの幼なじみで、ジャスティンを兄のように慕っている、おしゃまな女の子だ。まだ十歳にもならないが、この歳でもうあなどれない腕を持っている。
「ぷぅぷぅ!」
 スーのペットのプーイも彼女の頭の上でやかましく鳴いている。よほど大変なことが起こったらしい。
「たいへんって、いったいどうしたのよ、二人とも」
「ぷぅぷぅ!」
 プーイが人数に入れられてないと激しく抗議する。
「ああ、ハイハイ、三人ね。それで何がどうしたの?」
「ジャスティンが……」
「スーが……」
「ぷぅぷぅ……」
 三人が同時に話し出した。
「ストップ! 落ち着いて順番に話して!」
「じゃあ、俺からいくぞ」
 ジャスティンが先陣を切った。
「俺があっちで剣の素振りをしていたんだ。必殺技の練習をしようとVの字切りをやったんだけど、そしたら剣がすっぽ抜けて……」
「ジャスティンの剣があたしと遊んでいたプーイの顔の前におっこちて、驚いたプーイがあたしにぶつかったの」
「ぷぅぷぅ!」
「それでスーが倒れたひょうしにお湯を沸かしたポットが倒れて、剣をとりに来た俺に熱湯がはねかかって……」
「驚いたジャスティンがまた剣を放り投げて、それがこっそり忍び寄っていた怪物の頭にぶつかって……」
「驚いた怪物がそばにあった木に激突して気を失って、でも木も無事じゃなくて倒れちゃって……」
「倒れた先に大きな岩があって、その岩がゴロゴロ動き出しちゃって……」
「もっと大きな岩にぶつかって、その大きな岩がもっと大きな岩にぶつかって……」
「ストップ! それで結局どうなったの?」
「結局……」
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 地鳴りの音がした。地面がかすかに揺れている。
「……結局?」
「逃げろ!」
 ゴゴゴゴゴゴゴ!
 地鳴りはますます大きくなり、ジャスティンたちの背後に雪崩が起こっているのが見えた。
 雪崩は何もかも呑み込んだ。
「……ジャスティン、すごいわ。剣の練習だけで雪崩を起こせるのはあんたぐらいよ」
「うんうん、さすがジャスティンよねえ」
 フィーナとスーが雪の上に顔だけ出して愚痴っている。雪崩はパーティの荷物を一切がっさいをキレイサッパリに洗い流してしまった。
「いやあ、それほどでも……よしっ! さっきの技は雪崩誘導剣と名付けよう!」
「ジャスティンのバカ……」

 舞台の袖からジャスティンとスーの二人組が感嘆の声をあげる。
「フィーナ、なんかすごいカッコだねー」
「う、うん……」
 ジャスティンは思わず生唾を呑み込んだ。
 舞台の中央で踊っているフィーナの衣装は薄地が薄く、豊満な身体のラインが浮き出ていた。
 花から花に舞い移るアゲハ蝶のように舞い踊るフィーナの冒険で鍛えた肢体が優雅なステップを踏む。
 やがて舞台をおえたフィーナが二人の所にやってきた。
「フィーナ、すごかったよ!」
「ダンスが得意だったんだね」
「まーね、ちょろいちょろい♪」
 フィーナは自信たっぷりにいって微笑む。
 パチパチパチ……
「いやぁ、お客さんたちも喜んでいたよ。ありがとう」
 店のオーナー、シッキーさんが拍手をしながら三人にいう。シッキーさんは街の有力者で品のいい若い紳士だった。
「これは今日の御給金だよ」
 そういってフィーナに一掴みの金を渡す。たかが踊り子の御給金としては破格の額だった。
「わあ、ありがとうございます」
「うんうん。それでものは相談なんだが……」
 シッキーさんがフィーナの耳元で囁く。
「……フィーナ君、じつはお客さん達の一部が君の踊りをすっかり気に入ってしまってね。別室でアンコールをしてくれないかといってるんだ。もちろん君さえウンといってくれれば、もっと御給金をはずむよ。彼らはうちのお得意さんでね、私としても無碍にはできないんだ。なにしろ彼らはお金持ちばかりだからね」
「アンコールですか……」
 フィーナは考え込む。
 ジャスティンの雪崩誘導剣のおかげで全財産を失ってしまった一行は、新しく装備を買い直すために手近の街でバイトをしていた。
 だが、ジャスティンもスーも慣れない仕事で失敗ばかり。逆に借金を増やしてばかりいた。
 そこで頼みの綱のフィーナが踊り子のバイトをしてやっと食いつないでいる有様なのだが、ここで一気に稼げば再び楽しい冒険の旅が始まる。
「わたし、やります。お金が必要なんです」
「うんうん。連続で踊るのはちょっと厳しいけど、大丈夫かな」
「ちょっとくらいなら……」
 オーナーのシッキーさんの瞳がキラーンと光ったが、フィーナは気づかない。

 そして、フィーナは別室に連れていかれた。
「ジャスティン君とスーちゃんはこっちで待っていてくれるかな」
「えー、あたしフィーナの踊りが見たい〜」
「俺も……」
 シッキーさんはちょっと困った顔をする。
「実は君たちのために特上の料理を用意しておいたんだ。早く食べないと冷めちゃうよ」
「あー、あたしそっちのほうがいい!」
「俺も……」
 二人は色気よりも食い気でシッキーさんのあとについていく。その時、またしてもシッキーさんの瞳がキラーンと光ったのだが、二人とも気づかなかった。

 フィーナは薄暗い部屋に通された。部屋の中には汗くさい匂いがムンムンと漂っていた。
「な……なに……この匂い……」
 バターン!
 背後のドアが大きな音を立てて閉じられた。そしてすぐにカチャリと鍵をかける音が聞こえてくる。フィーナは思わず身構えた。
「レディースアンドジェントルメーン!」
 スポットライトがフィーナに集中した。
「な、なに、なんなのよ?! 敵?」
「我らが華麗な踊り娘、フィーナ嬢です! フィーナ嬢は我々のアンコールに快くこたえてくれました!」
 ワァーッと熱烈な拍手がわき起こる。気がつくと部屋の中には無数の男達がギュウ詰めに押しかけている。これだけ人が狭い部屋に詰めていれば悪臭ぐらいするはずだ。
 パチパチパチ……
 拍手が鳴りやまない。しかし、ここまで歓迎されればフィーナも悪い気がしない。
「では、フィーナ嬢、中央の舞台までどうぞ!」
 スポットライトに照らされたままフィーナは中央の舞台にたつ。舞台とはいえものすごく狭い。二メートル四方の丸テーブルに赤ペンキを塗っただけの舞台だった。
「では、フィーナ嬢、準備はよろしいですか?」
 フィーナはコックリとうなずく。テーブルは意外に頑丈で、上で飛び跳ねてもビクともしなかった。これなら足場が狭くてもなんとかなるだろう。
「フィーナ嬢の準備はよろしいそうです! それではミュージックゴー! 皆さんフィーナ嬢に酔いしれましょう!」
 オオオッと部屋がむせかえり、激しいテンポの音楽が始まる。フィーナはそのテンポにあわせて踊った。
 ひととおり踊り終わったときだった。客の一人に足首を掴まれてしまう。
「な、なに……キャッ!」
 足首をグイと引かれて倒れてしまう。なんとか立ち上がろうとするが、今度は別の誰かの手が上着をひっぱる。
「ヒ!」
 上着がめくられ、ポロリと形の良い乳房があらわになる。その間にも別の複数の手が腰布をめくり、パンツをずりおろす。
「イヤッ、ヤメテェ!」
 無数の手がフィーナの身体を揉みくだき、無数の唇が彼女の身体を這う。
「ジャ、ジャスティーン! た、助け……ウグッ!」
 フィーナのノドに悪臭を発する男性器が侵入した。
「グヘヘヘ、俺のチンコはうまいだろう!」
 男性器をねじこんだ男が満足感たっぷりに呟く。
「だって俺、舞台で踊ってるお前を見て一目惚れしたんだぜ。いや、俺だけじゃない。ここにいるみんなそうなんだ」
「ムグッ、ムフッ、ムウウウウッ!」
「まったくこの店はサービスがいいよなあ」
 下卑た笑いが唱和する。喉のおくにまで臭い男性器を突っ込まれたフィーナが返事ができるはずもなかった。

 その頃のジャスティンとスー。
「うわっ、どれを食べてもおいしいぜ!」
「おいし〜い」
 店のオーナーのシッキー氏が深々と頭を下げる。
「恐縮でございますな」
「フィーナにも食べさせてあげたいよねー」
「ああ、そうだな。ちょっと折り詰めにして持っていこう」
「フィーナ君も踊りの終わった後、おなかいっぱいに食べて貰う予定ですから」
「なーんだ、それなら遠慮なくいただいちゃおう!」
「うん!」

 その頃フィーナは無数の男達に遠慮なくいただかれていた。
「アッアッアヒッ……アアンッ!」
 アナルとヴァギナに太い男性器が挿入され、身体は精液と愛液にまみれていた。
 何人もの男達がフィーナを屈服させ、陵辱した。それでも饗宴はまだ終わらない。
「ジャ……ジャスティン……た、たすけ……ムフッ!」
 もうお腹いっぱいなのに、また男性器が侵入してくる。

illast


 その頃ジャスティンとフィーナはメインディッシュを平らげていた。
「ジャスティン、あたしもうお腹いっぱい」
「でも美味しくて食べ続けちゃうよな」
 うんうんとうなずきながら二人はモクモクとナイフとフォークを動かす。
 ガッ!
 ジャスティンのナイフが皿にぶつかって手からすっぽぬけた。
 ナイフはクルクルと空を舞い、デザートを持ってきたウェイトレスさんのスカートを突き刺す。
 驚いたウェイトレスさんは思わずデザートを放り投げ、デザートはシッキーさんにぶつかり、はらいのけようとしたシッキーさんの手がスーをぶちのめす。
 スーはひっくりかえり、ひっくりかえった先に柱があった。柱はなかば腐っており、そこに勢いよく激突したスーは柱を折ってしまう。
 一本の柱が倒れ、隣の柱がたわみ、建物の構造が歪み、もう一本の柱が折れ、連鎖的に残りの柱が倒れていく。
 ドドドドドドッ!
 ドーンッ!
 建物が崩壊した。瓦礫の山からジャスティンとスー、そしてフィーナが顔を出す。
「あちゃあ……また雪崩誘導剣だ……」
「ジャスティン!」
 メインディッシュを食べ損ねたスーが怒鳴る。ジャスティンはおそるおそるフィーナを見た。こういう場面で一番怒るのは彼女だからだ。
 フィーナはあられもない姿で顔は煤まみれだった。彼女の瞳に金色の涙がうつる。
「やべ……」
 慌てて逃げようとするジャスティンだが、フィーナは彼の予想を超えていた。
「ジャスティン、えらいっ!」
 そういって抱きしめたのだ。

 その夜、宿屋でジャスティンとスーはフィーナに踊り方を教えて欲しいと頼み込んだ。フィーナはこころよく承諾し、いきなり服を脱ぎ始めた。
「わっ! フィフィフィフィーナ!」
 ジャスティンが慌てて目を背ける。
「ジャスティン、スー、これから二人に都会風の踊り方を教えてあげる。明日から二人ともたっぷり稼げるわよ」
 そういってフィーナはジャスティンとスーの服も脱がせた。
 夜がふけていく。

<てなもんや・終>